桐朋学園について

桐朋学園大学仙川校舎

桐朋学園大学仙川校舎↑

私の母校、桐朋学園大学を紹介します!

桐朋ってどんなところ?

桐朋学園大学は調布市仙川駅の仙川校舎(大学・附属高校)と調布駅の調布校舎(大学院)をメイン校舎としたこじんまりとした大学です。
創立は1948年「こどものための音楽教室」からです。
「こどものための音楽教室」は子供の時から聴音などの訓練を行って音楽の基礎能力を育てる教室で、全国に支部を持ちます。

私は小学4年からこの教室に編入しましたが、それまでいた音楽教室との内容の差に愕然としました。
この聴音能力のすごさが桐朋を「特殊な学校」と位置づけてきたように思います。

私が大学に入学した当時の学長は三善晃先生でしたが、入学式の言葉で「クラシック音楽の根幹は『音楽解釈』です。桐朋はその教育に重きを置いています。」という主旨のことを話されました。
このことを実践していくためには聴音をはじめとした基礎能力がどうしても必要なのです。

この教育で世に羽ばたいた卒業生は、指揮者の小澤征二さんやピアニストの中村紘子さんをはじめとして、バイオリニストの高嶋ちさ子さんや古沢巌さん、最近ではショパンコンクールの反田恭平さん、小林愛美さんなど世界中で活躍している音楽家が数えきれないほどいます。

桐朋は付属高校、短大、大学院も併設しており、短大の演劇科まで入れれば大竹しのぶさんなど実力派俳優を綺羅星のごとく輩出しています。

そうそう、YモバイルのCMに出ている作曲家の新垣隆さんもここの先生です。
有名歌手、有名俳優のお子さんたちも多く在籍していて、この校風をわかって選ばれたんだなと思っています。

この個性豊かで自由度の高い人たちがわんさかあふれている日常、それが桐朋です。
そして桐朋は少数精鋭。
大学だけでも一学年160人ほど、全学部でですよ!
たとえば声楽科は一学年5~10人前後。
校舎も隈研吾さん設計の素敵な木の校舎(仙川校舎)とコンクリートと木のモダンな校舎(調布校舎)ですが、こじんまりとして落ち着けるアットホームな場所です。
校舎は最新型で換気も徹底していながらおしゃれで、どこかのレストランのような雰囲気です。

ちょっとコンクリートの調布校舎内をご紹介しましょう。
調布駅を降りて甲州街道を渡った先の閑静な立地に調布校舎があります。

エントランスを入ってすぐに学生ホールがあります。
パソコンで調べ物をしたり、ご飯を食べたりと普段学生が集うところですが、そこも間接照明に浮かぶ落ち着く空間です。

学生ホール
中庭から臨む学生ホール












教室前の廊下
教室前
レッスン室は音響を考えた木とコンクリート


地下一階と二階教室とレッスン室です。
教室は小島のように独立して点在し、廊下も間接照明で居心地が良い雰囲気です。
写真のガラス部分が教室またはレッスン室です。



こじんまりといいましたが、これはけなしてるのではなく「自慢」です。
スタイリッシュでコンパクトな校舎に少ない生徒、そして在学中から有名な沢山の音楽家たち。
だれともすぐ顔見知りになり、家族のようでありながら切磋琢磨する。

他校によくありがちなライバルの足の引っ張り合いは見られません。
このこじんまりさのおかげでどこかみんなのんびりしている。
在校生が口をそろえて言うのがその点です。

私立のおっとり感というのでしょうか。
こんな少人数の中で一番を狙ってもしょうがありません。
それよりも自分の目標を人と比べず勉強するムードが強いようです。

自分のペースで本気で勉強したい音楽家の卵にとって最高の環境だと思いませんか!?

桐朋は学費が高い、とおっしゃる声も聞きます。
興味のある方はは音大名、学費で検索して見て下さい。
確かに桐朋は初年度の学費はトップです。
でもここに書かれていない「寄付金」は必要ありません。
ゼロなのです。
他の大学は寄付金がありますが、金額には計上されていません。
また、二年目からの授業料はどこの大学も(国公立をのぞき)ほぼ同じくらいです。

また入ってからのお金のかからなさはほんとに生徒ファーストです。
たとえば、先生の自宅でもレッスン代を払う必要はありません。(払わなければならない大学もあります。
構内のレッスン室を借りるのも無料です。(自分の練習のために借りるのは有料という大学は多いです。)

そういう見えない経費?を足していくと、むしろ安いと思います。

桐朋の紹介ムービーも大学ホームページから是非併せてご覧下さい

桐朋の声楽科は?

前項で声楽科は一学年5~10人程度と書きました。
4年分合わせても40人いません。
さらに大学院、高校付属、ディプロマまで入れても80人前後です。

その理由の一つは付属高校、大学に限って言えば、他大学と圧倒的に違う試験科目内容があると思います。
声楽は変声期が終わった中学3年から高校1年位で本格的に目指す人が多い科なので、聴音が間に合わない人が多いのだと思います。

でも必死に訓練して入る価値は高く、大学内のカリキュラムの自由度も高いので、さまざまな言語の歌曲や、オペラなどを早い譜読みでこなしていくことが出来ます。
イタリアオペラがメインになる音大は多いのですが、桐朋は、ドイツ歌曲、フランス歌曲はもちろんのこと、ロシア歌曲、英語歌曲なども希望に応じてしっかり勉強することが出来ます。
これは卒業してから、プロとして実際の現場で非常に役に立つので、「やっておいてよかった」ということになります。

また人数が少ないことで、先生たちの目が行き届き、派閥のような気遣いが必要ないので、全先生方に育ててもらうような感じです。
教授陣も技術力だけではなく、人間的に暖かく優しい先生たちばかりです。
ちなみに先生の数はオペラ、ミュージカル、各言語歌曲の先生など40~50名前後いらっしゃり、勉強したければいくらでも手が差し伸べられる環境です。

桐朋出身の声楽家が少ないと言う人もいらっしゃいますが、そんなことはありません。
世界で活躍する歌手も沢山輩出しています。
もともとの人数が少ないので目立たないように感じますが、分母からのパーセンテージは変わらないと思います。

桐朋を声楽で受験するには?

①主科の声楽
イタリア歌曲程度の5曲を提出し、そのうち2曲を当日歌います。

②副科ピアノ
ソナタ程度の自由曲を一曲と、その曲の調のスケールをカデンツ付きで弾きます。

③楽典
内容は藝大の楽典と同じくらいの難易度ですが、傾向が違います。
なにより「要約」と「編曲」の項目は桐朋でしか出題されません。
どちらも楽曲の解釈に必要な視点で、この点をとるための勉強は一生役に立ちます。
※当教室では自宅で学習できる楽典の動画を導入しております。
わからないところは何度でも復習できます。

④SHM(ソルフェージュ・ハーモニー・メロディー)B課題
この3部門がそれぞれ別採点というのも桐朋独自だと思います。
Sは単旋律とピアノ伴奏つきで歌うものと2曲出題されます。
Hは和音の種類、3和音聴音が3題、四声体密集1題、四声体開離1題の計6題で100点満点です。
Mは単旋律8小節1題、複線率8小節1題、暗譜8小節1題の計3題で100点満点です。

以上で他大学にあるコールユーブンゲンはありません。

なんか大変そうですか?
大丈夫!絶対合格させるのでとにかくまずご相談ください。
上記の科目は大学前にやるべき科目だと思っています。
私は桐朋のこの方針にあこがれて勉強し、それが音楽で身を立てるのにとても役に立ったので、頑張って勉強して桐朋に入って良かったと思っています。

またオープンキャンパスなど見学できるチャンスがあったらぜひ見に行って見て下さい。
他の学校と全く違う雰囲気であることに驚かれると思います。
どこか海外的でこじんまりとおしゃれな桐朋の校風に惹かれたら、話だけでも聞きにきていただければと思います。

また、社会人になってから改めて音大を目指したい人のためのカレッジディプロマ制度もあります。
音大生と同じカリキュラム、授業を受けることができ、学費は半額です。
大卒ではなく、ディプロマ終了ということになりますが、近年は資格より実力ということもあり、演奏活動の時間も自由に取れるため、プロ志望の方でも増えています。

詳しいこと、わからないことはお気軽にまずはお電話下さいね!

仙川校舎正門前

桐朋学園大学 仙川校舎正門前↑